地震で下敷きになった場合の対処法

地震が発生した際に何かの下敷きになってしまった場合、どう対処すればいいのでしょうか?

自分が下敷きになってしまった場合

①無理せず、周囲の状況の確認
②自分が置かれている状況・状態の把握
③スマホなどで音を出して、自分の位置を知らせる
④冷静さを保つ
⑤体力を消耗しないよう動かない
⑥救助隊を待つ

クラッシュ症候群の恐ろしさ

クラッシュ症候群とは、長時間体が圧迫されることによって起こる病気です。
たとえば、建物の倒壊や車の事故で下敷きになっている人が長時間救出されない場合、圧迫された筋肉細胞が損傷・壊死を起こし、毒性物質(ミオグロビンやカリウム)が血中に蓄積されます。
その後、救助される時に圧迫されていた部分が解放されると、血流を通じて毒素が急激に全身へ広がり、心臓の機能が悪化します。
クラッシュ症候群が恐ろしいのは、救出された時は元気でも数時間後に急変し、最悪の場合は死亡してしまうことがあるからです。

知られ始めたきっかけは「阪神・淡路大震災」

1995年1月17日に発生した阪神・淡路大震災では、多くの人々が倒壊した建物や車の下敷きになり、数時間後に症状が急に悪化し、死亡したとの報告が多くありました。
少なくとも370名以上が発症し、そのうち50人ほどが亡くなってしまったそうです。
この災害を機に、「クラッシュ・シンドローム」という言葉が知れ渡るようになり、緊急時の災害医療のあり方が大きく変わりました。

クラッシュ症候群の見分け方

クラッシュ症候群は救出された直後は、症状が現れないケースが多く、見落とされてしまう場合が多いです。
しかし、クラッシュ症候群は一刻も早く医療処置を受けるべき危険な状態です。
クラッシュ症候群の兆候を見落とさず、早めに血液透析可能な災害拠点病院か透析医へ搬送しましょう。

クラッシュ症候群の兆候

・2時間以上にわたり体の一部分が、がれきの下敷き状態にあった
・打撲部位がパンパンに腫れたり、点状に出血している
・軽度の筋肉痛や手足のしびれ、脱力感などの症状がある
・尿に血が混じり、茶色の尿が出る
・尿の量が減る
・挟まれた部分の感覚がない
・挟まれた部分が動かない

大切な人を救う鍵は正しい知識と災害意識

クラッシュ症候群は早期発見・早期治療がとても大切です。
事前にクラッシュ症候群を正しく理解することが災害時の早期発見・早期治療に結び付きます。

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正しい知識とすぐにできる小さな行動が、結果的に大切な人を救うことになります。
災害が起きてから行動するのではなく、日々の災害意識を高めていきましょう!

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